二人で一人〜永遠に
【!!…お母さん…】
お母さんは、私を優しく抱きしめてくれた。
「…千冬は迷惑なんか掛けてないわ…親が子どもの面倒をみる事を迷惑だなんて思うわけないでしょう」
「…ありがとう…お母…さん…」
毎日毎日私は、家から一歩も出ないで一人暗闇の中で時計の針の音を聞いていた。
〔プルッ…プルルルルッ!プルルルルッ!〕
【!!】
電話の音に体が、ビクッと動いた。
記憶と手探りで電話の受話器を取った。
「はい、もしもし…」
電話の相手は浩介だった…明日私に話があるから会いたいと…。
その夜私は、眠れなかった…浩介は、琉汰と兄弟…浩介に会えば琉汰の事を聞いてしまうかもしれない…琉汰に逢いたくなってしまうかもしれない……。
時間は、あっという間に過ぎ…浩介と会う時間がきた。
〔コンコンッ!〕
「…千冬?」
部屋の扉が開きお母さんが私を呼んだ。
「…はい…」
「浩介君来たわよ」
「…わかった今行く…」
「じゃー、おばさん」
「宜しくお願いしますね!…千冬気をつけて」
「うん、行ってきます」
私は、浩介に支えられながら車に乗った。