二人で一人〜永遠に
「あぁ、今日は俺が迎えに来た」

「…あ、うん…」



眼の検査の間、私は陵君の事を考えていた。

「…よし、終わったよ」


「ありがとう…」

「…なんだ?今日は元気がないな?」

「…別に」

「……お茶でも行くか?」


「…うん」



「…はい、コーヒー」

浩介は、私の手の中に冷たいコーヒーを渡した。

「ありがとう…」

「暑くないか?」

「うん、平気…」

「山下、毎日通るだけで、こうしてベンチに座って、ゆっくり休むのも、良いもんだな」

「浩介は、働きすぎなんだよ…」

「どうした?…やっぱり元気ないぞ?」

「…今日、どうして陵君来なかったの…」

「もしかして、それで元気なかったのか?」

浩介の声が、私の直ぐ近くで聞こえた。

「…私、陵君に悪い事したかも…だから!…」

「違うよ!」

浩介は、私の肩に手を置いた。

「違う?…」

「今日は、陵本人の用事で、来れないだけだ…」

「用事…」

私は、肩の力が抜け息をはいた。

「あぁ、試験があって、それで今日は、来れないから俺が、千冬を迎えに行ったんだよ……不満だったか?」

「そんな!不満なんて…」
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