二人で一人〜永遠に
玄関の扉が、開くと突然おばちゃんは、俺の口元に手を伸ばした。

【!?】

おばちゃんは、俺の耳元で喋り始めた。

「今、千冬がリビングに居るのよ」

【………】

俺は、黙って頷いた。

おばちゃんは、俺から離れると、少し大きめで喋りだした。

「こんにちは!今、千冬呼びますね!…千冬!、陵君よ!」


【来た…】

私は、お母さんの呼ぶ声に少し驚きながらも、鞄を肩に掛け立ち上がった。

「今、行く」




おばちゃんは、一言俺の耳元で言った。

「気持ちが、不安定みたい」

【!?】

「………」

俺は、おばちゃんを見た。


「…お待たせ」


千冬は、俺の腕を掴み玄関を出た。


俺は、千冬の横顔を見ていた。


【…何か、あったのか?…千冬】


俺達は、いつも通りに大きな机を挟んで、点字と会話をしていた。



「陵君…今から話すことで、気分を悪くさせたら、ごめんなさい…」


陵君は、私の手に点字の紙を握らせた。

私は、点字を指で触れた。


【…『何?平気だよ、何でも聞いて』…】


「…陵君は、なぜ…この仕事をしているの…」


〔…ガタッ!〕

【…!?】

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