二人で一人〜永遠に
「えぇ!招待客が多いいから、挨拶だけで疲れちゃったわよ!」

御袋は、そう言って扇子を出して椅子に座った。

「ご苦労さん!、…親父も座ったら?」

「あぁ」

親父は、眼鏡をテーブルに置き座った。

「あらっ!?千冬は、まだなの?!」

御袋は、千冬が来て居ない事に気付いた。

「あぁ…、道混んでいるのかもな…」

「そうだな、今日は、快晴だし大安だからな」

親父は、窓の外を見て言った、御袋も親父に吊られて外を見ていた。

〔コンコン!〕

「おっ!着たな!!」

不思議と俺は、笑顔になって、扉を開けた。

「失礼します!お電話が…」

俺は、電話の子機を渡され耳に当てた。

「…はい?」

【…………………】

俺は、全身の力が抜け、床に電話を落とした。

「おい!琉汰!どうした!?」

「琉汰!?」

親父と御袋は、扉に寄り掛かった俺の体を抱えた。

「俺行かなきゃ……」

俺は、親父と御袋の手を払い除け教会を出た。

電話は、兄貴だった。

『琉汰!落ち着いて聞け!!…千冬が事故にあった!今、直ぐに病院に来い!!…』

【何で!!何でだよ!!千冬!!、…待ってろ!!…】


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