二人で一人〜永遠に
「………」



「…お前、馬鹿な考えはやめろよ…千冬の眼が見えるようになった時、お前が千冬の隣に居なきゃ…」



「兄貴!…そんな考えは、もうしないから、俺が千冬の眼が見えるようになるまで、隣で千冬を支える」




兄貴は、俺の言葉を聞いて、俺の肩を叩いた。



「よし!頑張ろう、琉汰」



俺は、兄貴の言葉に頷いた。








「はい!、紅茶よ…お砂糖は入れる?」


「ううん、平気ありがとう」


お母さんは、私の手にコップを握らせた。


「…はぁー!疲れたわね!」


「うん、久しぶりに買い物に行ったし…でも、お母さんは私より、もっと疲れたよね」


「…なに言ってるのよ!年とったから疲れただけよ!」


お母さんは、笑いながら言った。


「…ねぇ、お母さん…」



「なに?」


「私ね、…琉汰を思い出しちゃうの…雨が降っただけなのに、その時琉汰が言った言葉も……温もりも……」



私は、見えない涙をふいた。


「…千冬、思い出してもいいじゃない!無理に忘れようなんてしなくていい…ねっ…」


お母さんは、そう言って私の背中を撫でた。







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