キケンな放課後
「か、海斗…ひ、久し振り…」




あたしは、気が付いたら
声をかけてしまっていた。


海斗とは、あれから
まったく話していない。


…って、いくら話してなくても
教室で毎日顔合わせてるんだから

『久し振り』はないか…



「………」

「海斗…」




海斗はそのままあたしを無視して
廊下を歩いて行ってしまった。


…無視、か…


学校祭のことで忙しかったから
あんまり考えなくて済んだけど…


やっぱり、キツイよ…


前みたいに友達にだけでも
戻れればいいのにな…



「笹山さーん!
 もう始めるよっ!」

「あ、はーい!」



…辛いけど…

今は学校祭を
がんばらなきゃ!


あたしは小走りに
体育館へ向かった。




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