キケンな放課後
「照れるのは後でいいから!
 なんかあったの?」

「あ、その…」



海斗は真剣な表情で
あたしの顔を覗き込んできた。


あたしは困ってうつむく。


…なんかあったっていうか…




「やっぱり何か
 あったんでしょ?」

「ち、違うよ!」




あたしは海斗に
心配をかけたくなかったから否定した。


それに、ホントにたまたま
ぶつかってるだけかもしれないし…



「ホントに?」

「ほ、ホントに…」

「でも、あの集団の
 女子にぶつかられてるじゃん?」



海斗は離れた所にいる
女子集団を小さく指さして言った。



「う、うん…」

「なんかあったんなら
 ちゃんと言ってよ?」

「それがあたしも、
 よくわからないんだよね…」

「そうなの?」

「うん…」



あたしは海斗に
正直な気持ちを話した。


心配そうにあたしを見る
海斗を見ていると、なんだか甘えてしまう。




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