キケンな放課後
「…でも、笹山は
  杉田と付き合った。」

「…」




あたしは何も言わずに
ただ今野君の言葉に耳を澄ました。




「すごいショックだった…
 平然としてるのがツラかったよ。」




…今野君、そこまで
あたしを好きでいてくれたの?




「言わないでおこう
 って思ってたのに…」




…あたし、今野君に
辛い思いをさせてたんだ。



「…あきらめたいのに。」




今野君はそう言うと
もっと強くあたしを抱きしめた。


…今野君。


あたしは今野君の腕を
振り払うことができなかった。









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