キケンな放課後
「はい、できたっ!」

「ありがと、お母さん!」



あたしは今、お母さんに
浴衣の着付けをしてもらっていた。


髪の毛までセットしてもらっちゃった!


…今日、お母さんあそびに
行ってなくってよかったなー!


あたし、1人で浴衣着れないからっ。


「いってらっしゃーい?」

「いってきます!」

「お姉ちゃんバイバーイ。」



軽いノリのお母さんと、
ちょっとさみしそうな可愛い弟を残して、
あたしは待ち合わせ場所に向かう。


…みんな、もう来てるかなー?


待ち合わせ場所は
お祭りをやる広場の近くの公園。


あたしは1人でゆっくり、
公園へと向かった。





「あ、すぎたく…海斗!」

「おっ!未海ちゃん!」



公園に着くと、
海斗が1人ベンチに座っていた。



「あれ?まだ海斗だけ?」

「うん!それよりさ…
 今、杉田君って言おうとしたでしょ?」

「う、うん…。」




あたしは遠慮がちにうなずいた。





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