キケンな放課後
あたしは気がつくと、
海斗に軽く抱きしめられていた。


…い、いきなり
どうしたんだろうッ!?


そう思いながらも、
海斗の胸は温かくて、居心地がよかった。



「未海ちゃん、
 さっきはいきなりキスしてごめんね?」

「う、うんっ?」


突然甘い声で囁かれたあたしは、
ドキッとした。


「ホントはさ、浴衣似合ってるよ
 って言いたかったんだっ…。」



海斗は、あたしを
抱きしめる力を強くした。



「あ、ありがと…っ!
 めちゃくちゃうれしいよッ…?」



あたしは少し声が裏返りつつも
今の自分の気持ちを素直に伝えた。


で、でも、恥ずかしいな~ッ!


海斗は、また
抱きしめる力を強くした。



「く、苦しいよ?」

「俺が抱きしめたいんだからいいでしょ?」

「…う、うんッ。」



あたしは気がつけば
うなずいていた。


うなずくのが
“あたりまえ”のように…


どうしてだろう?


…もしかして、
あたし海斗が……













「杉田と笹山…?」



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