キケンな放課後
「じゃあ、見つかるまで
 2人でまわろう?」

「…沙希と今野君、
 大丈夫かな…?」




沙希と今野君
どこにいるんだろう…?


でも…


このままもう少し
海斗と2人でもいいかな…?



「大丈夫だよ、きっと!
 まわってるうちに合流できるかもしれないし!」

「そうだねっ!」



あたしは、結局海斗と
しばらく2人でまわることにした。


…たまには、いいよね?


なぜかこのとき、今野君のことは
少しも気にならなかった。



「あ、射的あるじゃん!」

「射的?…ホントだ!」

「俺、あれだったら
 金魚すくい以上に得意なんだけど!」

「そうなの!?
 すごいね、海斗。」



海斗って
なんでもできるんだな~。


あたしは海斗に関心していた。



「あ!あの
 ぬいぐるみかわい~!」

「え、どれどれ?」

「あのクマのやつ!
 かわいいな~。」



あたしは、自分好みのかわいいクマの
小さなぬいぐるみを指さした。



「よしっ!取ってあげる!」

「え、いいの!?」


あたしは子供のように
目を輝かせた。


あんな小さい
ぬいぐるみがほしいなんて…


あたしってつくづく
子供かも…


「今から取るから
 ちゃんと見ててね?」

「うん!」



あたしは海斗の横で
じっとクマを狙う姿を見ていた。


…集中した顔がカッコイイな…





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