キケンな放課後
「あ!倒れたッ!」

「やったぁ!」



あたしたちは射的の係りのおじさんから
クマのぬいぐるみを受け取った。



「ありがとう、海斗ッ!」



あたしは今取ってもらったばっかりの
小さなクマを抱きしめながら言った。


「これくらい楽勝だし?」

「調子にのらないでよね?」

「のってないし!」


あたしたちは
そう言いながら笑い合った。


…調子にのってる海斗は、
なんだか無邪気な感じがした。


「ちょっと、木の下で休むか?」

「うん!」



あたしたちは、
静かな木の下で休むことにした。


「人多いけど疲れてない?」

「うん!大丈夫だよ!」

「じゃあ、ちょっと
 休んだらまた行こっか?」

「そうだね!」


あたしは、木に寄りかかって、
海斗に取ってもらった金魚とクマを眺めていた。









「あ、お兄ちゃーん!」



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