キケンな放課後
図書室の入り口近くにある
カウンターの方に行くと、今野君がいた。



「ごめん…まだ1冊なんだけど…」

「いいよ、いいよ!」



今野君の手には、
2冊の本があった。



「笹山は何選んだの?」

「あたしは『人魚姫』がいいと
 思ったんだけど…どうかな?」

「人魚姫か…いいね!
 俺は…恥ずかしいんだけど…」



今野君はさっと自分の選んだ本を
背中の後ろに隠した。



「何選んだのー?」

「お、男が選ぶのは
 変なんだけど…」

「何ー?」



あたしは気になって
今野君の背中を覗き込んだ。









「…『眠り姫』と…
 『ロミオとジュリエット』?」



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