迷路





矢崎 仁[ヤザキ ジン]








うちらの地元じゃ
かなりの有名人。








なんでかって?








ここら辺じゃ
1番喧嘩が強くて
格好良いから。








なんて単純な理由。








だから矢崎先輩は
みんなの憧れ。








「あたし興味ないもん。」








興奮している加奈に
そう伝えると








『そんなこと言わないでよ!
だって矢崎先輩,
結衣に興味もってるみたいで
だから健太先輩に頼んで
今日のこと
セッティングしてもらったっぽいんだよ?』








はぁ?!








「そんなこと聞いてないしッッ!!」








『あんたが健太先輩の話
ちゃんと聞いてなかっただけ。』







それはそうだけど…。








「あたし行きたくないょ-。
まじで興味ない…『とにかくッッ!!』」








あたしの言葉を遮るように
加奈の声が響いた。








『19:00頃に健太先輩が
結衣の家まで迎えに行ってくれるから
ちゃんと用意してなよッッ!!』








それだけ言うと
ガチャンと電話を切ってしまった加奈。
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