オレンジdays
しばらく、ぼーっとしたり着替えたりしてから部屋を出る。
そのころにはもう、部屋の外は静かになっていた。
ふたりもきっと自分の準備に取り掛かったのだ。
いつも迎えに来なくていいのに・・・。
灯呂も亜矢も、あたしがちゃんと行くか心配なのか、毎日決まった時間に部屋の前まで来る。
あの日から、ずっと。
心配しなくても、だいじょうぶだよ。
学校は、ちゃんと行く。
司が、だいすきだった場所だから。
いつもわざわざ、ごめんね。
それと、
振り返った自室のドアに小さく呟く。
「・・・ありがと」