オレンジdays


しばらく、ぼーっとしたり着替えたりしてから部屋を出る。

そのころにはもう、部屋の外は静かになっていた。



ふたりもきっと自分の準備に取り掛かったのだ。



いつも迎えに来なくていいのに・・・。




灯呂も亜矢も、あたしがちゃんと行くか心配なのか、毎日決まった時間に部屋の前まで来る。


あの日から、ずっと。




心配しなくても、だいじょうぶだよ。


学校は、ちゃんと行く。



司が、だいすきだった場所だから。



いつもわざわざ、ごめんね。


それと、


振り返った自室のドアに小さく呟く。




「・・・ありがと」


< 6 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop