オレンジdays
*
「いってきまーす」
靴を履いて、返事のないとわかっているあいさつをする。
けれど
ガチャと、玄関のドアを開ければ一斉に飛び込む、ふたつの笑顔。
「おっはよ~、美苑♪」
「はよッ!な~、なんで鍵しめたんだよ?」
「・・・おはよ、亜矢」
あたしはふたりのうち、どちらかというと静かな方だけに挨拶をして、そのまま歩き始める。
亜矢もその横に並んでついてきた。
後ろで灯呂がぎゃーぎゃー言ってるけど、しょうがない。アンタがうるさすぎるんだ。あたしは低気圧・・・いや低血圧だって言っただろうが。