オレンジdays




「いってきまーす」


靴を履いて、返事のないとわかっているあいさつをする。


けれど

ガチャと、玄関のドアを開ければ一斉に飛び込む、ふたつの笑顔。


「おっはよ~、美苑♪」


「はよッ!な~、なんで鍵しめたんだよ?」



「・・・おはよ、亜矢」


あたしはふたりのうち、どちらかというと静かな方だけに挨拶をして、そのまま歩き始める。


亜矢もその横に並んでついてきた。


後ろで灯呂がぎゃーぎゃー言ってるけど、しょうがない。アンタがうるさすぎるんだ。あたしは低気圧・・・いや低血圧だって言っただろうが。



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