オレンジdays
「な、今日クラス替えだろ? オレら、おんなじクラスになれるといいなッ」
追いついた灯呂が横に並んで、笑顔を向けた。
そうだ、今日は始業式。
はじまりの日だ
今年は暖冬だ、とかいってたけど結局寒かった。桜咲くこの季節でもまだ少し肌寒い。
そしてクラス替え、とてもメンドくさい。
灯呂の放ったことばに、学校へ行くのが少し億劫になった。
「クラス替え、かー・・・」
「まあ、亜矢と美苑はなにがあってもおんなじクラスだけど、灯呂は・・・どうかな~」
何を根拠に、と横目でちらりと亜矢を見た。ニヤニヤと灯呂を見ている。いつのもの、灯呂をいじるときの目だ。
「フザけんな~!美苑と同じクラスはオレなの~!亜矢こそちがうクラスだろ!」
「なにを~!?」
「んだよ~」
ケンカが始まってしまう前に、とあたしはさらりと言った。
「さんにん同じが、いいね」
さっさと進むあたしを尻目に、両隣のふたりは足を止めた。ついでに動きも。