この空の下
闘病
土曜日の朝。
ある病院の一室。
あたしは花瓶に
花をそえる。
そこはとても
静かな空間だった。
「よ、茜」
「渉太。おはよ」
「愁、どうだ?」
「うん。
今はぐっすり寝てる」
あの後、愁は
病院に運ばれ、
あたしと渉太、皐月は
愁に着いて行き
一足早く修学旅行を
抜けることになった。
幸い、命に別状は
なかったものの、
これからは絶対安静。
入院生活だそうだ。
つまり、野球は
勿論できないし
1週間後の卒業式にも
出席できない、
ということ…。