この空の下
「…あたし
思うんだけどさ」
皐月がおもむろに
口を開く。
「茜の気持ちは
多分崎美君に
伝わってると思う」
「え、でも…」
「あたし崎美君の
ご両親に聞いたのよね。
崎美君、病院にいる間
散歩もせずにずっと
病室の窓から
外見てるらしいよ。
きっと茜を
待ってるんだろうって。
だけどそれで茜が
見えたらすぐに
いなくなるじゃない?
不思議に思って
お母さんが崎美君に
聞いてみたらね…」
皐月の次の
ひとことを聞き、
あたしは教室を
飛び出した。