この空の下
しばらくして
練習が始まると
グラウンドの外から
黄色い声が聞こえた。
「きゃー!
愁くーんっ!!」
「頑張ってー!!」
「わっ…何…?」
見てみると、
フェンスのそばに
何十人もの女の子たちが
塊になって
崎美君に歓声を
送っている。
やっぱり崎美君って
モテるんだな…。
そんなことをぼんやり
考えていると
グラウンドに
ものすごい音が響いた。
ビュッ…バァン!!
それは崎美君の投げた
ボールがミットに
おさまる音だった。
辺りはしばらく
シーンとなり…
そしてワッと
女子の声が響いた。