この空の下





パシッ











「何やってんだ…」

「さ、崎美君…」










あたしの腕は
崎美君によって
止められていた。





1年生の3人がすぐに
崎美君に泣きつく。














「桜菜…。

1年相手に何やってんだ」

「………」











あたしは口を
開けなかった。












1年相手にムキになって
手をあげようと
したなんて
言えるはずがない。







それに今それを言ったら
崎美君のこの子に
対する印象は
悪くなってしまう。





中学の頃からの
好きな人にそんな風に
思われるのなんて
気の毒だった。











「桜菜。
1年に手あげるなんて
上級生として
失格だろ。

遅いと思って
見にきてみたら…
オレが来なかったら
どうなってたんだよ」

「………」

「お前…
謝ることくらい
できねえのか?



…あ~もういいや。
試合再開するから
さっさと来い」







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