腐れ縁なんてクソ食らえ!!
桜と黒猫と桜餅
俺がそれを見たのは、駅を出てから二十分ほど経った頃。
ようやく高校が見えるようになった桜並木の通りを歩いていたときだった。
俺はこれから三年間通うことになる高校を視認できる距離まで来ると、それまでの早足からいつもと同じか、少し遅いくらいのペースで歩き始めた。
ちらほらと俺と同じ学生服に包まれた生徒たちが次々と俺を追い越していく。
まだ入学式が始まるには早いというのに、だいぶせっかちな者が多いらしい。
(真面目な奴らばっか)
別に不良というわけでもないが、真面目でもない俺は鞄を肩に担ぎながらさらに歩くペースを遅くする。
たいした理由はない。ただ、他の奴らと同じように急いで学校に行く気がしなかっただけだ。
そして何本目かの桜を通り過ぎたとき、俺はふと足を止め、一本の桜の木を見た。
別にそこらにある木と変わりない、きれいな桜の木だった。
だがその木は違和感があるというか、整然と並んでいる桜の中で一つだけとにかく目立っていたのだ。
(なんだ?あの黒いロープは)
ようやく高校が見えるようになった桜並木の通りを歩いていたときだった。
俺はこれから三年間通うことになる高校を視認できる距離まで来ると、それまでの早足からいつもと同じか、少し遅いくらいのペースで歩き始めた。
ちらほらと俺と同じ学生服に包まれた生徒たちが次々と俺を追い越していく。
まだ入学式が始まるには早いというのに、だいぶせっかちな者が多いらしい。
(真面目な奴らばっか)
別に不良というわけでもないが、真面目でもない俺は鞄を肩に担ぎながらさらに歩くペースを遅くする。
たいした理由はない。ただ、他の奴らと同じように急いで学校に行く気がしなかっただけだ。
そして何本目かの桜を通り過ぎたとき、俺はふと足を止め、一本の桜の木を見た。
別にそこらにある木と変わりない、きれいな桜の木だった。
だがその木は違和感があるというか、整然と並んでいる桜の中で一つだけとにかく目立っていたのだ。
(なんだ?あの黒いロープは)