彼方より蒼く 【BL】
「・・・今まで、圭太先輩と一緒に練習できて本当に良かったです」
「うん」
「俺、無愛想だし・・・人と付き合うの苦手で、部活内でもあまりみんなと絡んだりしないし」
「うん」
「それでも、圭太先輩は、俺に優しく、して、くれて」
「うん・・・・」
一弥の声が震えてきた。
目に浮かぶ涙を溢すまいと、必死に堪えているようだった。
圭太は一弥の言葉の続きが聞きたくて、優しく相槌を打って次を促す。
「俺がどんなにつっぱねても・・・先輩は笑顔で接してくれて。
俺の中に、こんな・・・深く、入りこんで来た人は、圭太先輩が初めてで。
俺・・・、本当に嬉しかったんです」
一弥の涙声に圭太の心も共鳴して、今までの月日の記憶が脳に流れるように映しだされる。
今さら卒業という実感が沸いてきて、圭太の瞳にも涙が浮かんだ。