彼方より蒼く 【BL】


一弥がコップの中身を飲み干すまでの間、圭太は一弥の身体を後ろから抱きしめていた。


「目が覚めて、腕の中にお前がいなくて・・・怖かった」

「先輩?」

「俺、お前がいなくなったら壊れるかもしんない・・・、
お前を失うことが一番怖い」


これは、依存、とでも言うのだろうか。

少しの間でも、自分が傍にいないと弱くなってしまう恋人―


きっとこれは、異常なんだろう。


けれど一弥は、嬉しさに身体がゾクゾクとした。



「そんなん、俺もっすよ」


力を抜いて、全てを圭太に任せるように後ろにもたれかかる。



「先輩がいなきゃ、俺・・・」


言葉にすると、余計に想いが溢れてくる。

もう何も考えたくなくて、一弥は静かに目を閉じた。
直に触れる肌の体温が混ざりあって溶けていく。


一弥を抱きしめる圭太の腕に力が入った。




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