彼方より蒼く 【BL】
最後の一雫に
「ここらへんで大丈夫です。ありがとうございます」
「ああ」
次の日の午後。
一弥が塾に行く時間になったので、圭太は車で近くまで送った。
もう少し一緒にいたいけれど、一弥は受験生。
一人っ子であり、親からの期待も大きいので、勉学を怠るわけにはいかなかった。
「じゃあ気をつけてな」
圭太はそう言って、優しく軽いキスをした。
「それじゃ・・・また。」
顔を赤らめた一弥が車を降りる。
携帯で時間を確認しながら、表の通りへと小走りで出ていった。
この瞬間から、歯車は回り始めていた。