彼方より蒼く 【BL】
一弥の母親が泣きじゃくりながら、父親が拳を握りしめながらその治療室へ入っていった。
数秒後に、圭太が力なく上半身だけを起こした。
「圭太・・・?・・・大丈夫か・・・・・?」
何が大丈夫かを訊ねているのか。自分でもわからなかった。
圭太の顔がゆっくりとこちらに向けられる。
圭太の瞳は潤んでもいないし赤くもなかった。
半開きの唇から、ひどく弱々しい声と言葉が漏れた。
「一弥、死んだ・・・」