彼方より蒼く 【BL】
数日が経ち、一弥の遺族も少しずつ日常を取り戻し始めていたころ―
圭太は自室に閉じこもったまま、魂が抜けたように放心していた。
大学をサボり続けるどころか、部屋からも一歩も出ようとしない幼馴染みをどうにか連れ出そうと、慎二は色々と手を尽くした。世話を焼いた。
久しぶりにサッカーしないか。
うまくて安い牛丼屋見つけたんだ。
お前、単位はどうするんだ。そろそろ行かないとやばいんじゃないか。
みんな心配してるから顔だけでも見せてやれ。
――なあ。圭太・・・
その言葉が圭太の脳に届いたかは、わからない。