彼方より蒼く 【BL】
愛しい
圭太と一弥は恋人同士だ。
この事実を知っているのは、圭太の親友である慎二だけ。
慎二が先程二人で出るように促したのも、圭太と一弥を二人きりにするために気をつかってのことだった。
「屋上、鍵開いてて良かったな」
「・・・っすね」
いつもは鍵がかけられ、立ち入り禁止となっているので普通生徒は入ってこない。
だが今日はどういうわけか屋上の鍵は開いていた。
二人きりなりたい圭太と一弥にはうってつけの場所だった。
適当な場所に座りこみ柵にもたれかかると、一弥も続いて隣に腰を下ろした。
一弥は普通から口数が多いわけではないが、今日は一段と無口さが増している気がする。
潤んだ瞳といい、いつもと様子の違う恋人に
淡い期待が沸き上がる。