彼方より蒼く 【BL】
「一弥が泣いてくれるとは思わなかったな」
「別に泣いてなんか・・・っ!」
勢いよく振り向きながら反論される。
右手で一弥の頬に触れると、一気に頬が紅潮した。
日焼けをしている一弥の肌。
サッカーをしているのだから当たり前だ。もちろん圭太も同じく日に焼けている。
互いの肌の色に、今まで共に歩んできた日々を思い出して胸がしめつけられる。
「泣いただろ、目が赤いよ」
まっすぐに見つめて笑顔を作ってやると、照れているのか視線を逸らされた。
くすくすと笑って、日に焼けて色が抜けた髪の毛を撫でてやると、一弥は観念したようにぽつりぽつりと話し始めた。