コンプレックス*ハニー
最悪の出会い。
こんな出会い方、漫画かドラマ以外で見たことないわ…
春。
しろい桜の花びらがちらちらとまって
鬱陶しい。
邪魔やねん。
さっきから、オレの視界を邪魔すんな。
「…」
顔の周りにちらちらまう桜を手で振り払う。
「ごめん、ごめん、お待たせ…って大地、なにしてんの」
呆れ顔のこのケバい女はオレの姉貴。
美穂。
このルックスやから軽い女に見えがちやけど、
一途な奴やねん。
コイツは。
「あ?桜がオレの視界を邪魔すんねん」
「はぁ…あんたどこまでも阿呆ね」
「は?姉貴より頭ええし」
「そういう意味とちゃうから」
はぁ…と大きなため息を吐き姉貴はツカツカと高いヒールの音を響かせて歩みを進めた。
「ほら、行くで?あんたの入学式やねんやろ?遅れる」
「姉貴が用意遅いからやんけ…」
「女はそういうモンやの」
はぁ…つくづく意味わからんわ。