そら
「おーい!!おーい!!聞いてるー??」



つい。


見つめてしまった。

「あっ…!す…すみません……」


でも、あなたは目を塞ぎたくなる程輝く笑顔で。


「なんで謝るの??」
「えっ…あっ…その……」


緊張のあまり口ごもってしまう。


「ここ。」

「えっ!?!?」

細長い指で“ここ”を指す。


「ここ、お前も良く来るの??」

「えっ!?あっ…はい‥」


「そっか…でさッ」


―キーンコーンカーン―


あなたの声とチャイムが重なった。


次は…


英語の……


てっ…てすとぉぉお!?


「じゃ!!またっ!!」


惜しくも別れなきゃいけない。

急いで教室に向かった。

「まっ!!待って!!」


遠くから聞こえる、あなたの声。


でも…

待てなかった。
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