究極のメソード
一人残された渡辺は
煙の立ち込める喫煙室の中

ため息をついた。


自信があるわけじゃない。
勝算もあるわけでもない。


でも死神の暴走を止めるためには
今を逃すわけにはいかない。


奴の組織が大きくなり
手がつけられなくなる前に潰す。


その使命感だけが
渡辺を動かす原動力となっていた。


「それにしても…」


渡辺もまた煙草に火をつけた。



「また私だけさとみさんと会うわけだ。
Kくんに怒られちゃうよ」



いたずらっぽい笑い顔を浮かべる渡辺。


喫煙室の煙はより一層
濃くなってきていた。

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