究極のメソード
渡辺は何も言わずKの言葉を黙って聞いている。
その表情からはKの言葉をどう思っているのか
察しがつかない。



「さとみが教祖をやって皆の注目を集めようとしたり
組織を大きくしてすべてを支配しようとしたり


その地位を守るため
俺を刺し殺そうとしたりするのは


さとみにとって当然のことなんだ。
だって彼女はそういう子なんだから。


そしてそれが分かるのは
世界中で俺だけだ」




さとみのことを思い
空を眺めるK。



その様子は

どんなに裏切られようとも
たとえ刺し殺されようとも


全てを受け入れて
さとみを愛する覚悟を決めた


男の顔をしていた。

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