究極のメソード
「最後に聞いていいか!」

連れて行かれようとする力に抗って懸命に喋る渡辺。

「君は…君はなぜインタビューの時ウソをついたんだ!」

さとみはなにも言わず黙っている。

「キミは死神に操られているように言っていたが…」

「そうよ。みんな私がわるいの」

渡辺の言葉を制して声を発するさとみ。


「死神さんは悪くない。そう。ひとりぼっちにしないでと願った私がみんな悪いのよ」


さとみはにっこりと笑う。

「でも大丈夫。私にはkくんがいる…kくんがすべて解決してくれる」


渡辺は思う。

さとみのこんな安らかな顔は
初めて見た。


引き立てられる渡辺の後ろ姿をさとみは静かに見送っていた。
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