究極のメソード
右手にナイフを握ったKは
今度は左手に本を握った。


「本日開催。
主演は死神。おまえだ。


そしてその演目は
オペラ座の怪人」

死神の頬がピクリと引きつる。



Kは舞台に上がり
死神に本を渡す。

「台本を忘れてたぜ。
返すよ」


受け取った本をじっと見つめる死神。
顔面蒼白のその様子は


まさに仮面を被った怪人そのものだ。
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