究極のメソード
「私には才能がなかったんです」


死神は本を見つめながら
遠い目をする。



「初めてもらった主役に私は全身全霊を
捧げました。


私は怪人になる。


その思いに私はとりつかれていたのかもしれません。


そしてその思いはやがて
私の心をばらばらにして


気がついたら
鎖をつながれて監獄へ閉じ込められていました」


死神はさとみを見つめる。
その姿はまさにオペラ座の怪人そのもの。


慈愛に満ちた目でさとみを見つめる死神。
< 368 / 383 >

この作品をシェア

pagetop