究極のメソード
セレブの街。

広々とした道路と行きかう人々。
みな穏やかな横顔。

余裕なくぶっ飛ばす
無粋な車なども走っていない。


清潔で幸せな街だ。
俺はさとみの実家のある街を訪れると

いつも居心地の悪い気分になる。


さとみの育った
この高級住宅地と違って

俺のふるさとはごちゃごちゃとした下町。

目を血走らせた人々が
明日への生きる糧を得るために
必死になっている。

そんな人々が住む街だった。

そこに住む人々はマナーも悪くガサツだ。
この街に住む上品な人々とは大違い。

しかし人間の本質をありのままにさらけ出して
生きている人々の方が

ここにいるセレブ達よりは好感が持てる。
俺はそう感じていた。
< 38 / 383 >

この作品をシェア

pagetop