究極のメソード
大きな塀に囲まれた和風建築の家の前に俺は到着した。
人を威圧するようなその屋敷。

そう。

俺は今からこの屋敷の主人とその奥さんを
血祭りにあげようとしている。

会って言葉を交わしてしまったら
決断が鈍る。

玄関に出てきた瞬間にやってしまおう。
俺はそう考えていた。

愛するさとみの生まれ育った家を血で染める。

さとみが愛しているご両親を惨殺する。

ああ
これ以上のさとみへ対する背徳行為があるだろうか?

俺は自分自身の運命を呪った。

でもこれはさとみを助けるためだ。
仕方のないこと。

そう仕方のない事なんだ。
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