究極のメソード
でも本当にそうだろうか?

俺は自分自身のエゴのために
何の罪のない人を死に追いやろうとしているじゃないのか?

自分の死にゆく運命に逆らい
愛するさとみと同じ時間を共有するために

俺は最低最悪の行為を行おうとしている。


でもそれでいい…


そう思った俺はおもむろに呼び鈴を押す。


それでいいんだ…


インターフォンから明るい声が聞こえてくる。
その声を聞きながら俺は思った。

俺は最低の虫けらになっても
汚い犯罪者になっても
さとみと一緒にいたい…

俺は鞄の中に隠したナイフを強く握りしめ
ひたすら家の門が開くのを待っていた。



狂気の時間があと数秒で始まる。
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