Kinmokusei~ ありがとう ~

私は先生から目を逸らした。

真っ直ぐに私を見る貴方の瞳は
私は受け止められない。

泣く事を忘れたはずなのに

涙を出すのも忘れたはずなのに

泣きそうになったから
私は下を向いて

「出てない。
でも…。
家族はいないから…。
帰る家ないだよ。」

昨日、両親に言われた言葉を思い出しながら
先生に言った。

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