Kinmokusei~ ありがとう ~

文化祭の終る時刻と共に
また携帯が鳴った。

先輩からで

「中に入れなませーーん(笑)」

と電話で言っていて
それを聞いていた皆は
更に笑っては帰る準備を始めた。

帰り際に
図書室の先生に挨拶をして
ゆっくりと玄関に向って歩いた。

歩く位置が学生の時のまま

男性先輩たちが前を歩き
それを追うかのように後ろから
女性先輩と私が歩く。

この位置は話し合って決まった位置ではない。

共に過ごした日々の中で
自然にこの位置になったのだ。

しかも
私が歩くのが遅いから
ペースもゆっくり(笑)

でも
それは苦ではなく
それが私たちの歩くペースになっていた。

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