すぺーど
全ての始まり
暗闇の中に小さな光。
――呼んでいる
――木霊している
やがて光は大きくなっていった。
あの人は誰?

丘に立つ彼女。
手にしているのは、力なく空を見上げている人間だった。人間と言えるのか?分からないが、人間だった。
――声が出ない。いや、出せなかったのだ。
月光を浴びている。
黒い翼がまるで月の一部であるように見えた。

そして彼女は笑みを浮かべたのだった。

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