Dream Book
同じ世界で
【芸能人】という大きな夢を持ち始めてから1週間。
今もその夢は変わらない。
「芸能人と仲良くなれたらどうしよ~」
このときの私はまだまだ子供だった。
自分の夢が確実に叶うと、そう思っていたんだろう。
「ご飯だよー」
台所から聞こえたお母さんの声。
私は起き上がりテーブルに乗せられたご飯をボケーっと見ていた。
テレビを見ながら箸を動かす。
それがいつもの私の日課みたいなもの。
私の名前は櫻井千尋
みんなからは【ちぃ】とか【ちぃたん】って呼ばれてる。
年齢は14歳の中学3年。
家族構成は5人兄妹でお兄ちゃん2人とお姉ちゃん2人、そして私。
お父さんお母さんと、お父さんの方のお父さんとお母さん。
私にとっておじいちゃんとおばあちゃん。
9人家族。
けど4年前に親が離婚して私とお姉ちゃん2人はお母さんと一緒に家を出た。
その後一番上のお姉ちゃんに赤ちゃんが出来て、今は旦那さんと赤ちゃん3人で暮らしてる。
簡単にまとめて言えば、今は3人で住んでるって感じ。
皆それぞれが離れたのは寂しいけど、櫻井家は櫻井家だからね。
場所が離れてても心は1つってやつ?
「行ってきまーす」
玄関で靴を履きそう言った。
「いってらっしゃいー」
仲の良い友達といつも通り学校に向かう。
その途中他愛のない話をする。
「はいっ手紙!」
手紙を受け取りながら
「ありがとっ」
そう笑顔で微笑んだ。
この友達は保育園からの友達。
名前は莉奈(リナ)
同じ小学校に入って
同じ中学校に入学。
幼なじみみたいな関係かな。
学校に着きクラスまでの道のりを2人仲良く歩いた。
莉奈とはクラスが違う。
私は2年6組で莉奈は2年5組。
まぁ隣同士だから休み時間は廊下で喋り込むのが私たち2人の有一の楽しみ。