あなたが私にできる事



昼休み、私の目の前には怒った様子の美紀が立っていた。



「座りなよ。早く食べよ。」



「恵梨香、あんたバカでしょ?」



ガタガタと音を立てながらお弁当を広げていく。



「恭ちゃんから全部聞いた。」



「全部?」



「ヤマに言ったこと!!」



「あぁ…。」



あの後山口くんは恭ちゃんに話したのだろう。



彼は教室内にはいないし、恭ちゃんも来る気配がない。
おそらく二人で恭ちゃんのクラスででもお弁当を食べているに違いない。



「あぁ…。じゃない!あぁ…。じゃ!!」



美紀が私の真似をする。



「面倒くさいって何?関わらないでって何?そのくらい我慢しなよ。恵梨香はヤマと一緒にいたくないの?」




「美紀ってさ。今まであんな思いしてたんだね。私って基本一人じゃん?嫌がらせなんてされたことなかったからわからなかったよ。あれ、すっごいウザイ。」




他人事のように言う私を見て美紀が大きなため息をついた。




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