あなたが私にできる事
「楽しかったのに。みんなでいるの。
恵梨香だって最近変わったよ。すごい毎日楽しそうだったよ?それなのに…。」
美紀は先程と一変して、今にも泣きだしそうになっている。
私にも彼女ほどの優しさと素直さがあったのなら…。
「ありがとう。美紀。だけどこれでいいんだよ。山口くんにも迷惑かけずに済む。」
「ヤマはそんなの迷惑だって思わないよ!」
「わかってるよ。だから嫌なの。山口くんは優し過ぎるから。」
美紀はそれ以上何も言ってこなかった。
言い表せない微妙な表情でお弁当を食べ進める。
「ごめんね。」
私にはそれしか言えなかった。
二人だけの昼休みは久しぶりだった。
ヤマと恭ちゃんがいないとすごく静かだ。
前はそれが当たり前だったのになぜかもの悲しく感じる。