あなたが私にできる事
放課後、私は一人で教室にいた。
いつもは山口くんたちも残ってみんなで話をしていた。
今日は誰も残っていない。
がらんとした教室で一人、本を読む。
「エーリーザーベースー。」
なぜか困った顔をした恭ちゃんが教室に入ってきた。
私の席まで来ると突然しゃがみ、音を立てて両手を顔の前で合わせる。
「ごめん!!」
「何!?」
驚いて本から顔を上げた。
「ヤマから聞いた。俺、知ってたのに何もできなかったから。」
「恭ちゃんが気にすることじゃないよ。私が決めたことなんだから。」
しおりをはさんで本を閉じる。
「だけどこんなことになるなんて思わなかった。ヤマも落ち込んでるし。っていうか怒ってるし。わけわかんないし。俺どうしたらいい?」
恭ちゃんが頭を抱えながら私を見る。
「知らないよ。何だかよくわからないし。」