あなたが私にできる事
彼女は私をベットに座らせると自分は立ったまま両手を腰に当てる。
「いったい何なの?」
「ごめんなさい!!」
その声は震えていた。
阿部さんは首を傾げたまま私を見下ろす。
「私…、山口くんのこと…好きになった…。」
顔を上げることができない。
だけど彼女が息をのむのがわかった。
気まずい沈黙を破ったのは阿部さんだ。
「あっそ。」
「それだけ!?」
思わず顔を上げて彼女を見た。
「うん。なんかもういいや。あんたの好きにしたらいいよ。
勝手に告ってフラれるなりつき合うなりすりゃいいじゃん。っていうかフラれろ。」
それは陰湿な感じではなく、むしろ小気味いい言い方だった。
彼女自身もさっぱりした表情で私を見ていた。