あなたが私にできる事
慌てて携帯を開いた。
それは美紀からのメール。
ちょうどメールをしようと思っていたのだからいいタイミングだ。
それなのに少しガッカリしている自分がいる。
『夏休み楽しんでる?恭ちゃんから聞いたんだけどね。来週ヤマの地元で花火大会があるんだって。みんなで行こうよ!!』
“みんな”の中にはもちろん山口くんも含まれているだろう。
『わかった。』
嬉しさを隠す為、素っ気ない返信をした。
山口くんに会うのは何週間振りだろう。
こんな些細なことで喜ぶなんて私らしくない。
以前では考えられないことだ。
だけどそんな自分も嫌いではなかった。
きっとこれで少しは前に進める。
花火大会の前日は興奮してなかなか寝付けなかった。