あなたが私にできる事



生まれて初めて着た浴衣はなんだか落ち着かない。


美紀の母親に着付けをしてもらい、美紀に髪を結ってもらった。


いつもより背筋をシャンと伸ばす。




履き慣れない下駄をカラコロと鳴らしながら待ち合わせ場所に向かった。



「恭ちゃ〜ん!!」



コンビニの前に立っている恭ちゃんを見つけた美紀が手をふる。



その隣には、山口くんがしゃがんでいた。








「おー!エリザベス浴衣いいねー。」



「美紀は〜?」



私を見るなりそう言った恭ちゃんに美紀が拗ねたような声を出す。



「可愛いじゃん、みっきー。」



山口くんが立ち上がり美紀に声をかける。



「恵梨香も可愛いよね!?」



そうふられた山口くんが私のことをじっと見る。


何て言ってもらえるのかドキドキした。



「うーん…。なんか超カッコいいね、神崎さん。」



どうせ褒めるのなら私も可愛いと言って欲しい…。




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