あなたが私にできる事
山口くんは私の様子がおかしいことに気づいたようだった。
「神崎さん?」
「ごめん。また意識飛んでたね。」
へへっと笑ってごまかした。
「よかったら話してよ。俺聞くよ?別れ話聞くのとか得意だし。」
「得意って…。何それ。」
「よく悩み相談されるんだわ。つい最近もずっとそいつにつき合っててさ。こっちはやっと解決したから神崎さんの悩み聞くスペース空いてるよ?」
そう言ってこめかみの辺りを人差し指でトントンと指した。
「ふ~ん。でも私苦手だから。自分のこと話すの。」
窓の外に目を向けながら言った。
こうすれば相手は何も言えなくなるだろう。
別に仲のいい間柄でもない。
わざわざ面倒なことする必要なんてないのに。
「どうしてふっちゃったの?」